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ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)とは|仕組み・リスク・事業者の見方

ソーシャルレンディング公開日:読了目安:12分
窓辺の机に開いたノートに矢印の図が描かれ、横に万年筆と電卓、紅茶のカップが置かれている

投資の勧誘ではありません。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の商品・案件への投資を勧めるものではありません。予定利回り(想定利回り)は確定したものではありません。最終判断はご自身で行ってください。

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元本割れのリスクについて
  • ソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング・株式投資型は預金ではなく、元本は保証されません。
  • 貸付先や物件・発行企業の状況によって、分配の遅延・減額、元本の一部または全部が戻らないことがあります。
  • 運用期間中は原則として途中解約できない案件が多くあります。条件は各社の契約締結前交付書面で確認してください。

「1万円から」「予定利回り年○%」。ソーシャルレンディングの募集ページには、預金とはちがう数字が並びます。けれども、その数字がどこから生まれ、どんなときに予定どおりにならないのかは、ページの上のほうにはあまり書かれていません。

この記事では、ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)の仕組みを、金融庁が投資を検討する人向けに公表している資料をもとに整理します。特定の事業者や案件への投資を勧めるものではありません。

この記事のまとめ
  • ソーシャルレンディングは、インターネットで集めた出資を、ファンド業者が企業などに貸し付ける仕組み。投資家は貸付先の返済から分配を受ける
  • 募集する業者には第二種金融商品取引業の登録が必要。ただし登録は、金融庁・財務局が業者の信用力を保証するものではない
  • 予定利回りは確定ではない。貸付先の返済が遅れたり、返せなくなったりすると、分配の遅延・減額や元本割れが起こりうる
  • 金融庁は「利回りだけで判断しない」「理解できない場合は申し込まない」と注意を呼びかけている
  • 見ておきたいのは、貸付先の情報、資金使途、担保・保証、審査体制、過去の遅延・貸し倒れの状況、行政処分の有無

ソーシャルレンディングの仕組み

金融庁は、ソーシャルレンディングを「インターネットでファンドの募集を行い、投資者の出資をファンド業者を通じて企業等に貸し付ける仕組み」と説明しています。お金の流れは、おおむね次の4つの段階です。

段階 何が起きるか
① 募集 ファンド業者が、資金を借りたい企業などの情報をもとにファンドを募集し、投資家が申し込む
② 出資 投資家は、ファンド業者と匿名組合契約を結んで出資する
③ 貸付 ファンド業者は集めたお金を、金銭消費貸借契約にもとづいて借り手の企業などに貸し付ける
④ 返済・分配 借り手が返済し、ファンド業者はそれを原資に投資家へ分配・償還する

出典:金融庁「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」および同ページの説明資料(2026年10月13日確認)。

ポイントは、投資家が借り手に直接お金を貸すのではなく、ファンド業者に出資し、ファンド業者が貸し付けるという二段構えになっていることです。投資家の手元に戻るお金は、借り手が約束どおり返済できるかどうかと、ファンド業者がそのお金を適切に管理・回収できるかどうかの両方に左右されます。

「予定利回り」は何の数字か

募集ページの「予定利回り(想定利回り)」は、貸付の金利などから、ファンド業者の手数料などを差し引いて計算された、予定の数字です。確定した数字ではありません。また、多くの場合は税引前の年率で表示されています。分配金にかかる税金は「クラウドファンディング投資の税金」で整理しています。

金融庁の資料は、利回りが高いことは、貸付先の返済遅延やデフォルト(債務不履行)のリスクが高いことを示している場合がある、と指摘しています。数字の大きさだけを比べるのではなく、その数字の裏にある貸付先の状況を見る必要があります。

どんなリスクがあるか

ソーシャルレンディングは預金ではなく、元本は保証されていません。主なリスクは次のとおりです。

主なリスク
  • 貸し倒れ:借り手が返済できなくなると、元本の一部または全部が戻らないことがある
  • 遅延:返済が予定より遅れると、分配や償還が遅れる。運用期間が延びることもある
  • 担保・保証の限界:担保や保証があっても、処分価格や保証人の資力によっては全額を回収できないことがある
  • 途中解約が難しい:運用期間中は原則として解約できない案件が多い
  • 事業者のリスク:ファンド業者自身の経営悪化や、不適切な資金管理が起きることもある

どのリスクがどの程度あるかは、案件ごとに異なります。各社が申込み前に交付する契約締結前交付書面に、リスクや手数料、契約の条件が書かれています。

登録を確かめる

金融商品取引法では、投資家からファンドの出資を募集する業者は、第二種金融商品取引業の登録を受ける必要があります。金融庁は、無登録の業者による勧誘は詐欺的なものである可能性が高いとして、関わらないよう注意を呼びかけています。

登録の有無は、金融庁の「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」で確認できます。各社の公式サイトでも、フッターや会社概要に「関東財務局長(金商)第○○号」のような登録番号が書かれています。

注意:登録=お墨付きではない

金融庁は、登録を受けた業者であっても、金融庁や財務局がその業者の信用力を保証するものではない、と明記しています。登録の確認は最低限の入り口で、そのうえで業者や案件の情報を自分で確かめる必要があります。

棒グラフと折れ線グラフが印刷された紙が机に広がり、虫眼鏡とペンが置かれている

過去の行政処分の例

ソーシャルレンディングでは、これまでに行政処分を受けた事業者があります。金融庁は、処分の理由となった行為の例として、次のようなものを挙げています。

  • 実際には担保がないのに、担保があるかのように表示していた
  • あるファンドの出資金を、別のファンドの償還に充てていた
  • 投資家の出資金を、本来の目的と異なる業者側の債務の返済などに充てていた
  • 事業の内容や不動産の評価額について、事実と異なる表示をしていた

具体的な例をふたつ挙げます。いずれも金融庁・証券取引等監視委員会の公表によるものです。

公表日 事業者 公表の内容(要旨)
2018年7月6日(勧告)/7月13日(処分) maneoマーケット株式会社 証券取引等監視委員会が、ファンドの資金使途について事実と異なる表示をして勧誘していた(虚偽表示)として行政処分を勧告し、関東財務局長が行政処分を行った
2021年6月8日 SBIソーシャルレンディング株式会社 第三者委員会の調査報告書などを検討した結果、重大な問題が認められたとして、関東財務局長が行政処分を行った

出典:証券取引等監視委員会「maneoマーケット株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」(2018年7月6日)、金融庁「maneoマーケット株式会社に対する行政処分について」(2018年7月13日)、金融庁「SBIソーシャルレンディング株式会社に対する行政処分について」(2021年6月8日)。いずれも2026年10月13日確認。処分の種類・期間の詳細は関東財務局の公表で確認してください。

こうした例があるからこそ、業者の説明をそのまま受け取るのではなく、資金の使い道や管理の方法がどう説明されているかを見ることが大切です。

事業者・案件の情報で見ておきたいこと

金融庁の資料は、投資家が確認したい情報の例として、次の項目を挙げています。募集ページや契約締結前交付書面で、これらがどこまで書かれているかを見ていきます。

見る項目 確認したいこと
貸付先の属性 業種、事業内容、ファンド業者との利害関係
貸付条件 貸付額、金利、貸付予定日、貸付期間
資金使途 借りたお金を何に使うのか
回収可能性に関わる情報 財務状況、担保、債務超過や返済猶予の状況
審査 審査体制と審査の手続き
管理・回収 返済が滞ったときの回収の方針と体制
借換え 返済のための借換えを予定しているか
過去の実績 他のファンドを含む、返済遅延やデフォルトの発生状況
契約・手数料 契約の内容、リスク、手数料、出資金の分別管理の状況

出典:金融庁「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」説明資料(2026年10月13日確認)。

金融庁は、利回りだけを強調してリスクなどの情報をわかりやすく示さない業者との取引には注意が必要だとしています。また、提供された情報の内容が理解できない場合は申し込まないように、と呼びかけています。

担保・保証の表示は「中身」を読む

募集ページに「担保あり」「保証付き」とあっても、その中身は案件によってさまざまです。第一順位の抵当権なのか、第二順位なのか。物件の評価額はどう算定されたのか。保証人は誰で、どんな資力があるのか。当サイトの募集中の案件一覧では、担保・保証の欄を各社公式の表記どおりに転記しています。見方は「募集中ファンドの見方」で詳しく紹介しています。

主な事業者と登録番号

融資型の主な事業者と、公式サイトに書かれている登録番号です。並び順に優劣の意味はありません。条件の詳細は、事業者の比較表と各社の公式サイトで確認してください。

事業者 登録(公式サイトの表記)
Funds(ファンズ) 第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3103号
クラウドバンク 第一種・第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第115号
Bankers(バンカーズ) 第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3216号
オルタナバンク 第一種・第二種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第36号
OwnersBook 関東財務局長(金商)第3260号

出典:各社公式サイト(2026年10月13日確認)。AGクラウドファンディングは、公式サイトで登録番号を確認できなかったため、表に載せていません。

以下は各社の公式サイトへのリンクです。広告(PR)を含みます。申込みや条件の確認は、各社の公式サイトと契約締結前交付書面で行ってください。

まとめ

ソーシャルレンディングは、投資家の出資をファンド業者が企業などに貸し付け、その返済から分配を受ける仕組みです。予定利回りは確定ではなく、貸し倒れや遅延が起きれば元本割れや分配の遅れが生じます。

まずは登録の有無を確かめ、そのうえで貸付先・資金使途・担保・過去の遅延状況など、金融庁が挙げる項目がどこまで開示されているかを見る。内容が理解できなければ申し込まない。これが、金融庁の資料が示している基本の順番です。最終判断はご自身で行ってください。

不動産を対象にした仕組みとの違いは「不動産クラウドファンディングとは」で整理しています。

参考:金融庁「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」および説明資料、金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」、証券取引等監視委員会「maneoマーケット株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」(2018年7月6日)、金融庁「maneoマーケット株式会社に対する行政処分について」(2018年7月13日)、金融庁「SBIソーシャルレンディング株式会社に対する行政処分について」(2021年6月8日)、各社公式サイト(いずれも2026年10月13日確認)