
投資の勧誘ではありません。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の商品・案件への投資を勧めるものではありません。予定利回り(想定利回り)は確定したものではありません。最終判断はご自身で行ってください。
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- ソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディング・株式投資型は預金ではなく、元本は保証されません。
- 貸付先や物件・発行企業の状況によって、分配の遅延・減額、元本の一部または全部が戻らないことがあります。
- 運用期間中は原則として途中解約できない案件が多くあります。条件は各社の契約締結前交付書面で確認してください。
ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分配金を受け取ると、口座に入るのは「税金が引かれたあと」の金額です。では、何の税金が、いくら引かれているのか。確定申告は必要なのか。住民税はどうなるのか。
この記事では、匿名組合契約で出資するタイプのクラウドファンディング投資(ソーシャルレンディング、匿名組合型の不動産クラウドファンディング)の税金を、国税庁の資料と各社の公式FAQをもとに、一般的な仕組みとして整理します。個別の判断は、税務署や税理士に確認してください。
- 匿名組合契約の分配金は、国税庁の通達で原則として雑所得とされている。雑所得は給与などと合算する総合課税
- 分配金からは20.42%(所得税と復興特別所得税)が源泉徴収される。住民税は源泉徴収されない(各社公式FAQ)
- 給与を1か所から受けている会社員で、給与以外の所得が年20万円以下なら、所得税の確定申告は原則不要。ただし医療費控除などで申告するときは、その所得も合わせて申告する
- 所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は別に必要になることがある(市区町村の案内)
- 雑所得で生じた損失は、給与など他の所得と差し引きできない
分配金は「雑所得」が原則
国税庁の所得税基本通達(36・37共-21)は、匿名組合契約にもとづいて営業者から受ける利益の分配を、原則として雑所得としています。
ソーシャルレンディングや多くの不動産クラウドファンディングでは、投資家は事業者(営業者)と匿名組合契約を結んで出資します。そのため、分配金は原則として雑所得になります。各社の公式FAQでも、分配金は雑所得にあたると案内されています(クラウドバンク、OwnersBook、CREAL。2026年10月13日確認)。
同じ通達は、匿名組合員が重要な業務執行の決定を行うなど、営業者と共に事業を経営していると認められる場合には、営業の内容に応じて事業所得などになるとしています。また、利益の有無にかかわらず一定額や出資額に対する一定割合で分配される場合は、金銭の貸付けから生じる所得になるとしています。上で紹介した各社の案内は原則の扱い(雑所得)を前提にしていますが、判断に迷う場合は税務署に確認してください。
出典:国税庁 所得税基本通達36・37共-21「匿名組合契約による組合員の所得」(2026年10月13日確認)。
任意組合型・株式投資型は扱いが異なる
不動産クラウドファンディングのうち任意組合型は、匿名組合型とは扱いが異なります。国税庁の通達(36・37共-19、-20)では、任意組合の組合員の利益は、組合事業の主な内容に応じて不動産所得・事業所得・山林所得・雑所得のいずれかに区分するとされています。
株式投資型クラウドファンディングは株式を取得する仕組みのため、この記事の対象外です。エンジェル税制の対象になる案件もありますが、要件は案件ごとに異なるため、事業者の案内と国税庁の資料で確認してください。
源泉徴収は20.42%、住民税は引かれない
匿名組合型のクラウドファンディングでは、分配金から20.42%が源泉徴収されます。内訳は所得税20%と、その2.1%にあたる復興特別所得税です(20%×1.021=20.42%)。
各社の公式FAQでは、次のように案内されています(2026年10月13日確認)。
| 事業者 | 公式FAQの案内(要旨) |
|---|---|
| クラウドバンク | 分配金から20.42%(所得税及び復興特別所得税)を源泉徴収。個人・法人の区別なく源泉徴収され、源泉徴収されない方法は選べない。住民税は含まれない |
| OwnersBook | 原則雑所得。所得税の源泉徴収(20.42%)のみで、住民税の源泉徴収は行っていない |
| CREAL | 利益は雑所得にあたり、分配金は源泉徴収税(20.42%)を差し引いた額で支払う |
出典:クラウドバンク「償還・分配について|よくある質問」、OwnersBook「源泉徴収額は何%でしょうか。」、CREAL「分配金に関する税金の取扱いはどうなりますか?」、国税庁「暮らしの税情報」(令和8年度版、復興特別所得税の計算式)(いずれも2026年10月13日確認)。
上場株式の配当などとちがい、住民税は源泉徴収されていない点に注意が必要です。住民税の扱いは、後の「住民税の申告」で説明します。
源泉徴収は「前払い」
クラウドバンクの公式FAQは、源泉徴収された税金を「納付すべき税金の前払い」と説明しています。雑所得は総合課税なので、確定申告をする場合は、給与などと合わせた所得で税額を計算し、源泉徴収された金額を差し引いて精算します。国税庁の資料によると、所得税の税率は所得に応じて5%から45%の7段階です。所得の水準によって、精算の結果は追加の納付にも還付にもなりえます。

確定申告が必要かどうかの目安
国税庁のタックスアンサー(No.1900)では、会社員などの給与所得者について、次の条件にあてはまる場合は原則として確定申告は不要とされています。
- 給与等の収入金額が2,000万円以下
- 給与等を1か所から受けている
- 給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下
ここでいう20万円は「所得金額」、つまり雑所得なら収入から必要経費を差し引いた金額です(国税庁 No.1500)。クラウドバンクの公式FAQでは、源泉徴収前の金額で判断するよう案内されています。
国税庁は、医療費控除などで確定申告(還付申告)をする場合は、20万円以下の給与以外の所得も合わせて申告する必要があるとしています。「20万円以下は申告しなくてよい」という規定ではない、と明記されています。
給与を2か所以上から受けている人、個人事業主、年金を受け取っている人などは、条件が異なります。自分がどれにあたるかは、国税庁のタックスアンサーや税務署で確認してください。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」、No.1500「雑所得」(2026年10月13日確認)。
住民税の申告
所得税の確定申告が不要でも、住民税は別です。横浜市は、給与以外の副収入がある場合の住民税について、次のように案内しています。
- 所得税の確定申告をした場合は、住民税の申告をしたものとみなされるため、別の申告は不要
- 所得税の確定申告をしなかった場合は、住民税の申告が必要
- 所得税の「20万円以下は申告不要」の仕組みは、住民税にはあてはまらない
クラウドバンクの公式FAQでも、確定申告を行うと住民税の申告をしたものとみなされると案内されています。住民税の申告方法や期限は、お住まいの市区町村で確認してください。
出典:横浜市「給与以外に副収入がある場合の住民税の申告は…」、クラウドバンク「償還・分配について|よくある質問」(2026年10月13日確認)。
損失が出たとき
貸し倒れなどで元本が戻らず損失が出た場合の扱いにも注意が必要です。国税庁のタックスアンサー(No.2250)は、損益通算ができる所得を不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得に限っており、雑所得の損失は、給与などの他の所得から差し引くことはできないとしています。
具体的な損失の計算や、他の雑所得との関係は、税務署や税理士に確認してください。
出典:国税庁 タックスアンサー No.2250「損益通算」(2026年10月13日確認)。
申告に使う書類
事業者は、匿名組合契約の利益の分配について、翌年1月31日までに「匿名組合契約等の利益の分配の支払調書」を税務署に提出します(国税庁の手続案内)。投資家向けには、各社がマイページなどで分配額や源泉徴収税額がわかる報告書を用意しています。
たとえばクラウドバンクは、確定申告には「期間損益報告書」を使い、源泉徴収前の損益の合計を雑所得の収入金額に、源泉徴収税額の合計を源泉徴収税額の欄に入れるよう案内しています。書類の名前や出る時期は事業者によって異なるので、各社の案内を確認してください。
出典:国税庁「F1-15 匿名組合契約等の利益の分配の支払調書(同合計表)」、クラウドバンク「償還・分配について|よくある質問」(2026年10月13日確認)。
各社の税金の案内
税金の案内は、各社の公式FAQにまとまっています。以下は各社の公式サイトへのリンクで、広告(PR)を含みます。
まとめ
匿名組合型のクラウドファンディング投資の分配金は、原則として雑所得で総合課税です。分配時に20.42%が源泉徴収されますが、住民税は引かれていません。会社員で給与以外の所得が年20万円以下なら所得税の確定申告は原則不要ですが、住民税の申告が別に必要になることがあり、還付申告をするなら合わせて申告します。雑所得の損失は他の所得と差し引きできません。
この記事は一般的な仕組みの説明です。ご自身の状況にあてはめた判断は、税務署や税理士に確認してください。仕組みとリスクは「ソーシャルレンディングとは」「不動産クラウドファンディングとは」で整理しています。
参考:国税庁 所得税基本通達36・37共-19〜21、タックスアンサー No.1500「雑所得」・No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」・No.2250「損益通算」、「暮らしの税情報」(令和8年度版)、「F1-15 匿名組合契約等の利益の分配の支払調書(同合計表)」、横浜市「給与以外に副収入がある場合の住民税の申告は…」、クラウドバンク・OwnersBook・CREAL 各公式FAQ(いずれも2026年10月13日確認)


